歯医者の待合でKYになった私

現在30代の中年女です。
今の歯医者には、10年くらい前から通っています。小さい頃は、実家の近所の小児歯科に通っていましたが、大人になってからは虫歯もなかったため、特にどこの歯医者にも通っていませんでした。
ある日、職場でお土産のキャラメルをもらって食べていたら、歯の詰め物が取れてしまいました。
私にとっては初めてのことで、口の中の違和感や、食べ物が引っかかる感じがとても気になってしまい、大至急、職場近くの歯医者を探しました。
ところが、どこも予約はいっぱいで、来週の何曜日の午前中なら…とか、だいぶ先のしかも平日の日中の時間帯しか空いておらず、予約ができませんでした。
5か所くらいの歯医者に当日中の予約を断られ、半ばあきらめモードで通勤途中にある目立たない一戸建ての自宅兼診療所のような歯医者に電話してみました。
すると、なんとなんと、「では、本日19時からの診療はいかがでしょうか?」との提案が。
それまでは、大通りに面したお洒落な外観の歯医者しか眼中にありませんでしたが、この際もうどこでもよい、とそこに決めました。
当初はあまり期待せずに院内に入りましたが、内部はとても清潔感があり、意外と患者さんも多くおり、小さな待合スペースに椅子が5席ほど、1つおきに患者さんが3人待っておられました。
空いた2席のうち、手前の席に腰を下ろし、子供の頃ぶりの久々の歯医者に緊張する中、若い女性スタッフさんと初診の聞き取りや詰め物がとれた状況の説明をしました。
待ち時間は10分弱くらいだったと思いますが、とても長く感じました。
次の日、職場で少し大きめの会議があり、私は雑用係として、マイクの準備や、出席者のチェックなどを行っていました。
そして、会議が始まり、他部署の年配のおエライ方のトークとなりました。
その中で、会議に出席していた若手ホープのイケメン男子とお友達(?)であるとの話がふと出て、
「昨日も偶然とある場所で一緒になった…」という話になりました。
私は、会議の内容には直接関係がなかったので、半分寝ながら会議室の隅っこに座っていたところ、急に私の名前が呼ばれ、
「昨日は大変でしたね。キャラメルで詰め物がはずれたんですってね。治りましたか?」と。
私「…!?!?!?」
どう返したらよいかわからず、目を白黒していたところ、
若手イケメンホープが、「昨日、僕らの間に座っていたじゃないですか。ほら、駅の手前の歯医者で。」と。
…!!なんと、私は気が付きませんでしたが、昨日の歯医者の待合室で、
おエライ様と若手ホープの間の席に堂々と座っていたようです。
その場は笑ってすませましたが、後でこのことを思い返すと、ぞっとします。
もしかすると、2人は今日の会議のことを歯医者の待ち時間に話していたのかもしれません。
緊張のあまり周りが見えていない私が、その2人の間の席に割って入り、
スタッフさんにベラベラと詰め物が取れた経緯とかを自虐を交えながらしゃべっていたんだ…!!
なんてKYな奴なんだ、私は…。
その歯医者には、うちの職場の人がたくさん通っているらしく、それ以降は、待合室に知った人がいないか、
よーーーく確認して座るようになりました。