子供のころからずっと信頼している先生

私が通っている歯医者は子供のころからずっとお世話になっているところです。と言っても今は特に虫歯があるわけではないのですが、定期的な検診と歯石除去で時々通っています。
この歯医者に通うようになったのは、私が小学生のころのあるできごとがあったからで、それ以来ここの先生に全幅の信頼を寄せています。
私は小学生の頃、下の前歯の歯並びがあまり良くありませんでした。そのため噛み合わせも悪く、今のうちから歯科矯正をした方が良いのではないか、と言われていました。痛そうだし、何より見た目に表れてしまうものであるため、おしゃれに目覚め始めた時期の私はすごく嫌でした。しかし今のうちにやるべきだということになり、歯科矯正の型をとることに。いやいやながら歯科医院に行き、粘土のようなもので歯の型をとりました。
ひと通りの診療が終わり、エプロンを脱ごうとしたとき、ふと担当の歯医者さんが「もう一度診せてくれる?」と言いました。まだ私は子どもなので、もう飽きてしまい早く帰りたいという気持ちでしたがもう一度椅子の背もたれが倒れ、先生が私の口の中を診ます。そこでなんと先生が「犬歯を一本削ろう。」と言ったのです。私は虫歯が一本もなかったため、私も見ていた母親と驚き、なぜ健康な歯を削るのか理解できませんでした。理由を聞くと、犬歯の一部分を削ることで、歯科矯正をしなくてもまっすぐ生えるようになる可能性が高いというのです。
母親に後から聞くと、私はまだ子どもだったのであまりよく分からなかったですが、親としては子どもの健康な歯を削るということに抵抗があったそうです。しかし歯科矯正をするより経済的にも見た目的にも、痛みなどの部分を考えてもはるかに楽だということで、先生の言うとおり削ってもらいました。そのおかげで、先生の読み通り、歯科矯正しなくてもまっすぐ歯が生えるようになり、20代になった今でも歯並びは良い方だと言われるようになっています。